とんでもない企画ですよね。
最初聞いた時、「そんな馬鹿げたこと、出来る訳ない!」と正直思いました。
しかし、人間の身体はすごいです。ちゃんと歩ける様に作られていました。この私が実際に歩いてきたんです!
私は、28時間歩き続けたのですが、その間ずーっと考えていました。
100kmの先に何があるんだろうって。
私は去年リタイアしていることもあり、今年はリベンジ。といっても角番でも無いですし、「自分だけの身体では無いので決して無理をしてはいけない。」とも言われているし、何より100kmという距離は、趣味の域を遥かに超えている。それでも、先輩の小原さんや小林さんからのお誘いもあり、100kmという魅力的な響きも手伝って、出場すると決めてしまったのです。
折角なので、この体験を一緒に共有することが出来たらいいなぁと思い、同僚の宇田さんと中西君を誘っての出場です。お揃いのTシャツを着て写真撮って。楽しく話をしながら歩きました。
30km地点からきつくなってきます。だんだんと「辛い、痛い、ううっ、あーあ」という言葉が多くなります。ペースも段々と落ちてきて、中西君は100kgを超える体重を支える足は限界でした。30km地点で会話の中で少しリタイヤ宣言が出たのですが、昨年100kmを完歩された田村様の後押しもあり、もう一踏ん張りやるという言葉に感動しつつ、そこからは3人で一緒に歩きました。
中西君は、感覚の無くなっている足をだましだまし色んな歩き方で、歩きました。相当辛いはずなのに、スピードは決して落としませんでした。限界宣言から16km歩き、約50km地点でのリタイヤでした。本当によく頑張ったと思います。丁度、当社の専務が差し入れを持ってきてくれたところでした。
10月1日の朝8:30に七尾市の食彩市場を出発して、羽咋、かほく、津幡、森本、西念、松島、福増、宮永、松任駅、宮丸、8号線、荒谷柏野、笠間、松本、美川インター前、美川駅、美川大橋、小舞子駅、加賀舞子、道林、そしてホテルグランティアがゴールです。
確かに、長い距離と長い時間なのですが、歩いている時はそうは感じませんでした。距離と制限時間から計算するので、むしろ時間が足りないと思う程でした。
宇田さんとは、スタート地点からずーっと一緒に歩いてきました。
私にとって、一番辛かったのは、夜中の歩行でした。既に朝から20時間歩きっ放しです。辺りは暗く、寒く、静かです。僅かな段差も足が上がらずつまずきます。
眠気が襲ってくると、口数も減ります。二人で歩いていなかったら、私は心が折れていたと思います。あまりの眠さに宇田さんと一緒に森本のコンビニの駐車場で20分程寝てしまい、寒さで目を覚ましました。
その後のチェックポイントまでの約6kmは、心身共に辛く、リタイヤと言う文字が頭の中をぐるぐると回りました。スピードは多分時速2km位まで落ちていたと思います。
恐らく宇田さんにとっても相当な葛藤があった時期だと思います。
事実、「次のチェックポイントまで行ったら、一緒にリタイヤしよう」と信号待ちの真っ暗な交差点で足を揉みながら二人で話をしていました。今思えば、私が宇田さんのリタイヤを後押ししてしまったのかもしれません。次の電柱まで行こうと言うべきだったのか、私自身、まともな判断が出来ない状態でもありました。
私自身葛藤の末、私と宇田さんとは約68kmの地点で別れ、私はゴールを目指すことにし、宇田さんは金沢まいもん寿司チェックポイントでのリタイヤとなりました。
私がゴールを目指せたのにはいくつか理由があります。
・100kmの先に何があるのか知りたかった。
・真っ暗な中でも音楽を聞いたことで、目覚めのスイッチが入った。
・昨年のリベンジ。
・私が2人を安易に誘ってしまったという自責。
・中西君がリタイヤ宣言をしてから16km歩いたという感動的な姿。
これまで70km歩いてきたので、後16kmは頑張れると計算しました。86kmまでいくことが出来たら、その時考えよう。
金沢まいもん寿司様では温かいめった汁を戴き、身体も目覚め、ちょっと早いかと思いながらラストスパートをかけました。後約30km。平均時速3kmで10時間。
タイムリミットは11時間30分でした。
美川駅の辺りで、いつも応援してくれる辻さんが差し入れを持ってきてくれました。「身体が冷えるといけないから、あまり休まないで頑張って!」と声援を戴きました。嬉しかったです。
残り10km地点で、甥っ子が応援に駆け付けてくれました。
心が温かくなり何故だか涙が出ました。とても嬉しかったです。
各チェックポイントでは、ボランティアの方々が熱烈な拍手と応援をしてくれ、次を目指そうという気持ちを後押ししてくれました。
この馬鹿げた距離は、達成感を味わうにはとても良い距離です。ものすごい達成感です!
仲間と一緒に共有体験できるともっと良いと思います。
そして何より、自分一人では到底難しいと思うことでも、周りの応援や環境によって可能にさせてもらえることを学んだ100kmでした。
家族をはじめボランティアの皆様、コンビニでお世話になった店員さん、一緒に歩いてくれた田村さん、梶さん、カメラマンのSさん、その他大勢の皆さん、本当にありがとうございました。
趣味の写真をフォト蔵に公開中です。
